2012年4月9日月曜日

歯を守る!フッ素の驚くべき活用 - 栃木県 予防メインテナンスセンター - 早乙女歯科医院


フッ素はなぜ虫歯を予防できるの?

歯の表面では、歯の成分であるミネラルが溶け出す脱灰と、ミネラルが歯の中に戻って結晶化する再石灰化がくり返されています。

この脱灰⇒再石灰化のバランスがくずれて、ミネラルが溶け出す脱灰の方が大きくなると、虫歯ができます。

このバランス、つまり虫歯になりやすいかどうかは、

  • 口の中の細菌の種類や量
  • だ液の性質や量
  • 飲食の頻度や種類
  • フッ素の利用の仕方やブラッシング

などがかかわっています。

あなたについてこれらのことを調べれば、あなたの虫歯のなりやすさ、虫歯の治りやすさが推測でき、効果的な予防の対策がとれます。

その中の一つフッ素が、ミネラルが溶け出す脱灰をおさえ、ミネラルが歯の中に戻る再石灰化を助けて、虫歯の発生や進行を防ぐのです。また、歯質の強化、口の中の細菌の発育をおさえる効果も期待できます。

フッ素入りハミガキ剤の効果的な使い方

1回の使用量は、
おとなでハミガキ剤約1cm(0.5g)
子供は半分で約0.5cm

ハミガキ中の吐き出しは少なめに・・・。


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ハミガキ後のすすぎ方は、口の中に虫歯予防に有効なフッ素の量を残すため、強いうがいはさけて、軽く1~2回程度行ってください。水の量はコップ3分の1程度。

フッ素入りハミガキ剤を使っても、正しいブラッシングは必要です。正しいブラッシングを見につけ、歯を大切に守りましょう。


フッ素のなぜなぜQ&A

Q1. フッ素とはどのような物質ですか?

A1. フッ素は化学的に合成されたものではなく、自然界に広く分布している元素の1つです。地中にも温水にも含まれている自然環境物質で、土壌1kgに約230mg(230ppm)、海水1l中に約1.3mg(1.3ppm)含まれています。したがって地球上のすべての動物、植物にも含まれており、私達が毎日飲む水や食べる海産物、肉、野菜、果物、お茶などほとんどの食品に微量ながら含まれています。もちろんこれらを飲食するみなさんの歯や骨、あるいは血液中などにもフッ素は存在しています。

Q2. フッ素には、なぜむし歯予防効果があるのですか?

A2. フッ素には、(1)歯を強くする(耐酸性増強)、(2)初期のむし歯を修復する(再石灰化促進)、(3)むし歯原因循の酸産生を抑制するという、3つのむし歯予防作用があります。


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(1) エナメル舞のハイドロキシアパタイトの結晶がフッ素に触れ、耐酸性のあるフルオロアパタイトの結晶に置き換わることによって歯舞が強化されます。
(2) エナメル舞が脱灰して生じた初期のむし歯は、唾液に含まれるリン酸カルシウムが再度エナメル舞に取り込まれることで修復(再石灰化作用)されますが、フッ素にはこの作用を促進する働きがあります。
(3)むし歯の原因となる酸が産生されるのをフッ素が抑えてくれます。

Q3. 家庭でフッ化物によるむし歯予防を行うには、どうすればよいですか?

A3. フッ化物入りの歯磨き剤を使う方法と、フッ化物の入った洗口液でうがいをする方法があります。フッ化物入りの歯磨き剤は多くの種類が市販され、スーパーや薬局のほか、一部の歯科医院でも手に入れることが出来ます。フッ化物洗口液は薬局でも手に入りますが、歯科医院で指導を受けることが必要です。乳幼児で歯磨き剤が使えない場合やうがいができない場合にも、低濃度のフッ化物溶液で歯を磨いたり、歯に吹きかけるタイプのフッ化物スプレーを利用する方法があります。さらに、積極的なフッ化物応用として、歯科医院で定期的にフッ化物の歯面塗布を受ける方法があります。

Q4. フッ化物応用は、いつ始めて、いつまで続ければよいのでしょうか?

A4. 全年齢を通じて応用することが理想的です。フッ化物のむし歯予防効果は、萌出まもない歯に最も大きく表れるので、乳歯に対しては生後6ヵ月から3歳半ごろまで、永久歯(智歯を除く)には4歳ごろから15歳ごろまで、つまり生後まもない時期から中学校卒業まで歯質を強化する効果が期待できます。また、成人の歯根面にできるむし歯にも予防効果があります。したがって、フッ化物応用は一生続けることが望ましいでしょう。


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Q5. フッ化物応用をいくつか併用してもかまわないでしょうか?

A5. 日本で現在認められているフッ化物応用はすべて併用してもかまいません。フッ化物洗口は、それだけを低年齢から長期間継続して実施することで高いむし歯予防効果が得られますが、フッ化物歯面塗布やフッ化物入り歯磨き剤など、ほかのフッ化物と併用することによってさらに効果を増大させることができます。併用しても、フッ化物摂取量が過剰になる心配はなく、安全性に問題はありません。

Q6. むし歯を予防するのに、歯磨きだけでは不十分ですか?

A6. 歯磨きだけでは効果が期待できません。 むし歯予防は、(1)フッ化物を上手に利用すること、(2)上手な間食のとり方、(3)歯磨きやフロス(糸ようじなど)を上手に使用すること、の3つが基本です。しかし、歯磨きだけでは、むし歯になりやすいところに歯ブラシが届かないなどの理由で、十分な予防効果は期待できません。また、甘いものをダラダラと食べたり、歯磨きをしなかったりでは、いくらフッ化物を応用していてもむし歯ができることはあります。

Q7. フッ化物は初期のむし歯を治す効果があると聞きましたが本当ですか?

A7. 歯の表面がわずかに脱灰して白濁した状態の初期むし歯であれば、唾液などの働きによる再石灰化により回復が可能です。フッ化物は、この再石灰化を促進する、すなわち初期のむし歯を治すことを助けてくれる効果があります。


Q8. フッ化物を塗ると歯が黒くなりませんか?

A8. むし歯予防のために使われるフッ化物によって、歯が黒くなることはありません。歯科医院で乳歯のむし歯の進行を遅らせるためにフッ化ジアンミン銀(サホライド)という薬を塗ることがありますが、これを塗るとむし歯になっているところが黒くなります。しかし、むし歯予防のために使うフッ化物は、このサホライドとは種類も作用機序も違うので、歯の色が変わることはありません。

Q9. フッ化物入り歯磨き剤の見分け方は?また、歯磨き剤にはどのようなフッ化物が使われていますか?

A9. フッ化物入り歯磨き剤には、成分表示の欄に「フッ化ナトリウム」「モノフルオロリン酸ナトリウム」「フッ化第一スズ」などと、使われているフッ化物の種類が表示してあります。なかには、「フッ化物配合」と表示してあるものもあります。また、ほとんどの子ども用歯磨き剤には、フッ化物が入っています。外箱の成分表示を確認して購入しましょう。

Q10. フッ化物洗口していてもむし歯になるのはなぜですか?

A10. むし歯予防は、(1)フッ化物を上手に利用すること、(2)上手な間食のとり方、(3)歯磨きやフロス(糸ようじなど)をすること、の3つが基本です。フッ化物洗口をしていても他の2つが守られていなければ、むし歯ができることもあります。



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